2024年04月24日
楡ポンよ、いつまでも
4/19の夜、楡ポンの籠から
「ア♡ア♡ア♡ア♡」と変な声が聞こえてきた。
こんな妙な声は聞いた事ない。
むか~し、楡ポンがもっと若い頃、私を口説いてくれていた時に
これに似た声でささやいてくれていた事はあった。
が、今回のはちょっと違う気がした。
しかし。発情中だし、妙な声をだすこともあるかなと思った。
翌朝。
楡ポンの目つきが変だった。
(写真はその日の16時頃撮影)
なに、その半目。
カキカキされたり気持ち良かったり眠い時にこんな目時をする事はある。
が、ずっとこんな目つきというのはおかしい。
食欲もあまりなさそう。
首を縦に振って吐き戻し、また飲み込んでいる。
発情中の鳥は吐き戻しするが、楡ポンはあまりやらない。
なんか、おかしい。
気にはなるが、午後から法事がある。
動物病院のサイトを見たら18時過ぎに空きがあったのでとりあえず予約。
この時はそんな重症だと思っていなかった。
法事を済ませ、夕方からトリたちの水浴び。
楡ポンは浴びずに、ずっと私の肩で眠そうにしていた。(↑写真)
そして時間になったので動物病院へ。
クルマに乗せる(普段の籠のまま。キャリーには入れないというかいれられない)と
いつも運転席の方へ寄って来て不安げに話しかけるのだが、
その日は止まり木に止まったまま動かなかった。
声音は妙に明るかった。
ラリっちゃっているような感じ。
ヒトだと「らいじょぶ、らいじょ~ぶ~♪」と言っているような雰囲気。
楡ポンが眠い時に出す声だった。
病院到着。
診察。
先生に捕まえられる段になってやっと楡ポンが目をまともに開いた。
普段の楡ポンの顔つきだった。
先生「目に異常はなさそうですが……。体重、落ちていますね
レントゲンと検便しますね」
検便の結果。腸炎になっていると。
レントゲンの結果。腎臓、若しくは精巣が腫れて胃を圧迫しているっぽい。
先生「血液検査をした方が正確な事は分かるんですが、
体重も落ちている状態でやると危険なので状態が落ち着いてからにしましょう」
という訳で薬を貰って四日後に次回予約を取り、帰宅する事にした。
診察が終わって籠に戻された楡ポン、目力がなかった。
帰りのクルマの中でも変だった。
私の呼びかけに例のラリった明るい声でゴニョゴニョ答えたが、
それも一度きりであとは呼びかけにも応じなかった。
家に戻っても止まり木からほぼ動かなかった。
餌も食べには来ない。
貰った薬を溶かした水を設置したが見ている前では飲みに来なかった。
実は楡ポン、薬を飲まされるのは初めてなのだ。
薬入りの水は警戒して飲まない鳥も結構いるので、
楡ポンが飲むか飲まないか見極めたかったのだが。
飲まない場合、翌日また病院へ行って相談する事になっていた。
動かない楡ポン。
仕方がないので電気を消して就寝させる事にした。
レントゲンも撮ったし疲れたのだろう。
私も床に就いた。
トリたちの横で寝ているのだが、夜な夜な楡ポンはガサゴソ動いていた。
楡ポンは普段から割りと夜もガサゴソしている。
ヒドイと鈴をチリチリ鳴らし出したりもする。
発情期なので余計にガサゴソする。
私は不安で眠れなかった。
明日から看病の日々が待っているかもしれないので眠れる時に眠っておかねばと思ったが眠れなかった。
何回か楡ポンに声を掛けたが返事はなかった。
いつもは私がトイレに起きただけで声かけしてくれるような鳥なのだが。
そして、明け方。
楡ポンが鳴いていた。
あ、声出せるようになったんだと思った。
いや、違う。
規則的なそれは呼吸音。
つまり、やばい!
楡ポンは三角テントの中で突っ伏して喘いでいた。
もう、うずくまっている状態でもない。
相当やばい。
自分の準備を整え、羊を起こしてから楡ポンを取り出した。
驚くほど軽かった。
完全にだらりとしていて、体温も下がっているようだった。意識もない。
自分の体にくっつけて半纏で重くないように覆った。
時間は6時前だった。
クツクツと肺に水でも入っているような呼吸音、
呼気の度に声が出るので生きているのは分かるが、危篤状態。
時間の問題な気がした。
時々苦しそうに足を突っ張る。
何故か、翼を開こうとする。
しかし首には全く力が入らず、支えていないとだらり垂れ下がる。
抱いていたら楡ポンの体は温まっては来た。
楡ポンをテントから取り出す前に作っておいた薄めたスポーツドリンクを
スポイトで少し口に含ませてみた。
ほんの少し期待したのだが、やはりダメなようだった。
下手をすると誤嚥しかねない。
羊に「お別れをして」と言った。
意識は戻らないが楡ポンは頑張った。
時間は8時を過ぎた。
一度は起きたもののもう一度(泣きながら)寝てしまった仔羊を呼び起こした。
「楡ポンにお別れをして」
仔羊は楡ポンの嘴に顔をくっつけた。
それから少しして、何度目だろうかの楡ポンがちょっと呼吸を止めた後大きく息をするというのをやった。
今度こそ最期かなと思った。
部屋の鳥達が一斉に鳴いた。
ワカケが、ウロコが、オカメが同時に鳴き叫び(声が小さいサザナミは聞き取れなかった)
静かになった。
楡ポンは逝ってしまったのだ。
私は掌に抱いていたからなんとなくわかったが、
半纏にほぼ覆い隠されていた楡ポン。
他の子たちには何が視えていたのだろう?
何故、みんな、その瞬間が分かったのだろう?
こうして楡ポンは逝ってしまったのだった。
楡ポンはさっきまで開こう開こうとしていた翼を静かに閉じ、
半目だった瞳も完全に閉じ、ゆっくりと私の手の中で固くなっていった。
羽艶はとても良い。
ピカピカ、キラキラしていた。
こんなことになるなんて信じられない。
羊と仔羊で庭に穴を掘ってくれた。
楡ポンが大好きだったサフラワーの種をいっぱい入れて埋葬した。
21日に動物病院からお悔やみのお花が届いた。
小田和正の「言葉にできない」が今も延々頭の中で流れている。
「ア♡ア♡ア♡ア♡」と変な声が聞こえてきた。
こんな妙な声は聞いた事ない。
むか~し、楡ポンがもっと若い頃、私を口説いてくれていた時に
これに似た声でささやいてくれていた事はあった。
が、今回のはちょっと違う気がした。
しかし。発情中だし、妙な声をだすこともあるかなと思った。
翌朝。
楡ポンの目つきが変だった。
(写真はその日の16時頃撮影)
なに、その半目。
カキカキされたり気持ち良かったり眠い時にこんな目時をする事はある。
が、ずっとこんな目つきというのはおかしい。
食欲もあまりなさそう。
首を縦に振って吐き戻し、また飲み込んでいる。
発情中の鳥は吐き戻しするが、楡ポンはあまりやらない。
なんか、おかしい。
気にはなるが、午後から法事がある。
動物病院のサイトを見たら18時過ぎに空きがあったのでとりあえず予約。
この時はそんな重症だと思っていなかった。
法事を済ませ、夕方からトリたちの水浴び。
楡ポンは浴びずに、ずっと私の肩で眠そうにしていた。(↑写真)
そして時間になったので動物病院へ。
クルマに乗せる(普段の籠のまま。キャリーには入れないというかいれられない)と
いつも運転席の方へ寄って来て不安げに話しかけるのだが、
その日は止まり木に止まったまま動かなかった。
声音は妙に明るかった。
ラリっちゃっているような感じ。
ヒトだと「らいじょぶ、らいじょ~ぶ~♪」と言っているような雰囲気。
楡ポンが眠い時に出す声だった。
病院到着。
診察。
先生に捕まえられる段になってやっと楡ポンが目をまともに開いた。
普段の楡ポンの顔つきだった。
先生「目に異常はなさそうですが……。体重、落ちていますね
レントゲンと検便しますね」
検便の結果。腸炎になっていると。
レントゲンの結果。腎臓、若しくは精巣が腫れて胃を圧迫しているっぽい。
先生「血液検査をした方が正確な事は分かるんですが、
体重も落ちている状態でやると危険なので状態が落ち着いてからにしましょう」
という訳で薬を貰って四日後に次回予約を取り、帰宅する事にした。
診察が終わって籠に戻された楡ポン、目力がなかった。
帰りのクルマの中でも変だった。
私の呼びかけに例のラリった明るい声でゴニョゴニョ答えたが、
それも一度きりであとは呼びかけにも応じなかった。
家に戻っても止まり木からほぼ動かなかった。
餌も食べには来ない。
貰った薬を溶かした水を設置したが見ている前では飲みに来なかった。
実は楡ポン、薬を飲まされるのは初めてなのだ。
薬入りの水は警戒して飲まない鳥も結構いるので、
楡ポンが飲むか飲まないか見極めたかったのだが。
飲まない場合、翌日また病院へ行って相談する事になっていた。
動かない楡ポン。
仕方がないので電気を消して就寝させる事にした。
レントゲンも撮ったし疲れたのだろう。
私も床に就いた。
トリたちの横で寝ているのだが、夜な夜な楡ポンはガサゴソ動いていた。
楡ポンは普段から割りと夜もガサゴソしている。
ヒドイと鈴をチリチリ鳴らし出したりもする。
発情期なので余計にガサゴソする。
私は不安で眠れなかった。
明日から看病の日々が待っているかもしれないので眠れる時に眠っておかねばと思ったが眠れなかった。
何回か楡ポンに声を掛けたが返事はなかった。
いつもは私がトイレに起きただけで声かけしてくれるような鳥なのだが。
そして、明け方。
楡ポンが鳴いていた。
あ、声出せるようになったんだと思った。
いや、違う。
規則的なそれは呼吸音。
つまり、やばい!
楡ポンは三角テントの中で突っ伏して喘いでいた。
もう、うずくまっている状態でもない。
相当やばい。
自分の準備を整え、羊を起こしてから楡ポンを取り出した。
驚くほど軽かった。
完全にだらりとしていて、体温も下がっているようだった。意識もない。
自分の体にくっつけて半纏で重くないように覆った。
時間は6時前だった。
クツクツと肺に水でも入っているような呼吸音、
呼気の度に声が出るので生きているのは分かるが、危篤状態。
時間の問題な気がした。
時々苦しそうに足を突っ張る。
何故か、翼を開こうとする。
しかし首には全く力が入らず、支えていないとだらり垂れ下がる。
抱いていたら楡ポンの体は温まっては来た。
楡ポンをテントから取り出す前に作っておいた薄めたスポーツドリンクを
スポイトで少し口に含ませてみた。
ほんの少し期待したのだが、やはりダメなようだった。
下手をすると誤嚥しかねない。
羊に「お別れをして」と言った。
意識は戻らないが楡ポンは頑張った。
時間は8時を過ぎた。
一度は起きたもののもう一度(泣きながら)寝てしまった仔羊を呼び起こした。
「楡ポンにお別れをして」
仔羊は楡ポンの嘴に顔をくっつけた。
それから少しして、何度目だろうかの楡ポンがちょっと呼吸を止めた後大きく息をするというのをやった。
今度こそ最期かなと思った。
部屋の鳥達が一斉に鳴いた。
ワカケが、ウロコが、オカメが同時に鳴き叫び(声が小さいサザナミは聞き取れなかった)
静かになった。
楡ポンは逝ってしまったのだ。
私は掌に抱いていたからなんとなくわかったが、
半纏にほぼ覆い隠されていた楡ポン。
他の子たちには何が視えていたのだろう?
何故、みんな、その瞬間が分かったのだろう?
こうして楡ポンは逝ってしまったのだった。
楡ポンはさっきまで開こう開こうとしていた翼を静かに閉じ、
半目だった瞳も完全に閉じ、ゆっくりと私の手の中で固くなっていった。
羽艶はとても良い。
ピカピカ、キラキラしていた。
こんなことになるなんて信じられない。
羊と仔羊で庭に穴を掘ってくれた。
楡ポンが大好きだったサフラワーの種をいっぱい入れて埋葬した。
21日に動物病院からお悔やみのお花が届いた。
小田和正の「言葉にできない」が今も延々頭の中で流れている。
Posted by ニワトリモドキ
at 21:54
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